こんにちは、まさです。
少し前になりますが、経理・財務スキル検定(FASS)で、最高レベルであるレベルAを取得しました。
(え?税務と資金の得点率低くないって?そこはご愛嬌。。。トータルAなら何でもいいんですよ…!汗)
「会社でFASS取れって言われたけど、そもそもFASSってどんな試験?」
「忙しくて時間ないからサクッと高いレベルを取る方法を知りたい。。」
「興味はあるけど、受けるべきか迷うな。。」
本記事ではこのような疑問にお答えしていきます。
経理・財務スキル検定(FASS)について
経理・財務スキル検定(FASS)は日本CFO協会が経産省からの委託を受けて行った「経理・財務スキル検定プログラム開発プロジェクト」の成果に基づいて実施されている試験です。この試験は「資産」、「決算」、「税務」、「資金」の4分野から構成され、合否はなく、正答率に応じてレベルA~Eまでの評価が付きます。
この記事はAランクを目指す人向けに執筆していますが、正直どのレベルを狙う人であってもやることは変わらないと思うので、レベルAまでは必要としない方であっても最後まで目を通していただければ幸いです
まずは試験の概要からです。
FASSの概要
試験時間 | 90分 |
問題数 | 100問 |
点数 | 800点満点 ※後述しますが、各分野の点数によってA~Eまでの評価が付きます。 |
受験料 | 11,000円(税抜) ※日本CFO協会法人会員は8,800円(税抜) |
試験期間 | 上期:5月1日~7月31日(申込期間:2月1日~7月28日) 下期:11月1日~1月31日(申込期間:8月1日~1月28日) |
試験会場 | 全国のCBT試験センター(会場一覧・空席照会はこちら) |
結果発表 | 即日(試験終了後に画面表示) |
年2回(上期、下期で1回ずつ)しか受検できないことにご注意下さい。
FASSの試験範囲
次に試験の範囲について見ていきましょう。FASSは「資産」、「決算」、「税務」、「資金」の4分野で構成されています。
分野 | 資産分野 | 決算分野 | 税務分野 | 資金分野 |
業務 | 売掛債権管理 買掛債務管理 在庫管理 固定資産管理 ソフトウェア管理 (クラウドサービス) | 月次業績管理 単体決算業務 連結決算業務 外部開示業務 | 税効果計算業務 消費税申告業務 法人税申告業務 連結納税申告業務 税務調査対応 | 現金出納管理 手形管理 有価証券管理 債務保証管理 貸付金管理 借入金管理 社債管理 デリバティブ取引管理 外貨建取引管理 資金管理 |
2020年度上期からは、2019年度までオプション科目だった「収益認識基準」が新たに試験範囲に加わるようです。
経理・財務系の業務を未経験の方は難しそうなワードに面食らってしまうかもしれませんが、安心して下さい。出題される問題は極めて基本的なものばかりです。
点数別のレベル:レベルAの正答率は?
レベルAを取得するには約86%の正答率が必要になります。
レベル | スコア | 評価 |
A | 689点~ | 経理・財務分野について、業務全体を正確に理解し、 自信をもって経理・財務部門の業務を遂行できるスキルをもっている。 |
B | 688点~641点 | 経 理・財務分野のほとんどの業務を理解し、業務を遂行できるスキルをもっている。 分野によって、知識の正確さに個人差があるものの、業務を妨げるようなこと はなく、 適切に対応できるスキルをもっている。 |
C | 640点~561点 | 経理・財務分野について、日常の業務を行うための基本的なスキルが身についているが、 自己の経験以外の業務への対応力について差が見られる。 日常の業務であれば、業務を理解して、支障なく対応できるスキルをもっている。 |
D | 560点~441点 | 分野によって、知識の正確性に差があり、不十分な部分が多いが、 支援を受けながら、最低限の業務を行うスキルをもっている。 |
E | ~440点 | 経理・財務分野について、部分的にしか 理解できていない。 今後の努力を期待する。 |
どんな人が受検するべき?
経理・財務の基礎知識が必要とされる職種の人
これから転職、あるいは新卒入社される先の会社で経理・財務系の職種につかれる方にはぜひ受検をオススメしたいです。私は約2年間の経理実務を経験しましたが、業務を遂行する上で最低限必要となる知識を網羅的に身に付けることができる試験だと感じました。実際、業務フローを問うような問題も多いです。
簿記を受けたけど挫折してしまった人
「経理系の知識は身に付けたいけど、簿記特有の仕訳、精算表といったものに挫折してしまった」という方にもオススメできる試験です。一部の問題で簿記二級レベルの知識が問われます。一方、全て選択問題なので、解説を読んで反復練習すれば十分得点可能です。FASSで自信をつけて、改めて簿記にチャレンジするのもアリだと思います。
経理・財務に苦手意識のある非経理・財務系の職種の方
FASSは経理を深く勉強するのではなく、簿記では問われない税務、財務、会社法に至るまで、広範な分野の基礎知識を身に付けることができます。 普段のお仕事の中で、「経理や財務の人が依頼してくることはよく分からず、適当に流して対応している。。」というモヤモヤを抱えている方にも受検をオススメしたいです。
【これでレベルA!】 実際にレベルAを取得した筆者の勉強方法
【2冊で十分です】 問題集はこれだけ!
まずは絶対に外せないFASSの公式ガイドです。FASSの本番は体感的に6割程度はこの問題集と同じか、酷似した問題が出題されました。毎年新しいものが出ているので、余裕があれば過年度のものを手に入れておくとより高い得点が期待できます。※最新版は2024年度です。
最近では日本CFO検定公認のテキスト&問題集も出ているので、こちらを代替的に利用しても問題ないと思います。
次に2冊目です。
やや難しい問題が多い印象ですが、レベルAの取得を目指される方は一通り解いておくことをオススメします。振り返ってみても、この問題集を解いていなければ分からなかった問題が結構出題されていました。
【2冊では正直不安…という方へ】追加の2冊
会計業界の名門である税務研究会から出版されているFASSの公認テキストです。公式ガイドやスピード問題集は問題+解説という構成ですが、本テキストはそもそもの経理・財務の業務が図を交えて詳しく解説されています。
「基本テキスト」は経理・財務が未経験の方で、「きちんと理解した上で問題を解き始めたい」という方にオススメできる一冊です。逆に既に十分な業務経験がある方は問題演習から入っても問題ないと思います。私自身も買ってはみたものの、パラパラめくった程度でほとんど使いませんでした。
「基本テキストII」は試験対策以上に、「経理・財務人材としてステップアップしていきたい」という願望がある方にオススメしたい一冊です。中身は応用的な内容が中心で、FASS検定の対策としてはToo muchな印象を受けました。
レベルAを取得した勉強法
- 【公式ガイド】全体2週+間違ったところ2週
- 【スピード問題集】全体1週+間違ったところ2週
スピード問題集も2週する予定だったのですが、意外と時間がなく、1週止まりでした。それでも何とかレベルAを取ることはできましたが、余裕を持って2週は解くことをオススメします。1週だけだと、たまたま正解した問題や、自信をもって回答できなかった問題を見逃しやすいです。
総勉強時間ですが、15時間程度です。前提として、私は2年弱の経理経験があるので、全く無い方だとより時間を掛ける必要が出てくるかもしれません。
今回は以上になります。
それではまた次の記事でお会いしましょう!